彼氏契約書
2.仕事始めとドキドキ始め・・・
平成26年1月4日。

今日から私は仕事始め。…と言っても、

この会社の仕事始めは1月6日からだ。

だから会社には誰も来ていない。もちろん私一人。

「ん~!やっぱり会社はいいな」


会社の入り口で、胸一杯空気を吸い込む。

きっとみんなは会社なんて嫌いだろう。

でも私は違う、この会社が大好きだ。色んなデザインが生み出され、

服を作り、売りに出す…こんなに素敵な仕事は他にない。


…専務室。

この三が日のお休みが、少しばかり予定外ではあったが、

有意義に過ごせて、気分もいい、そのおかげか、デザインがたくさん浮かんでいた。

「仕事、仕事」

ウキウキしながら、ペンを握る。

どれだけ時間が過ぎても、ペンは止まる事を知らないように、

どんどん進んでいた。


…カチャ。

デスクの上に、何かが置かれた。

そこで初めて、私のペンが止まる。

ゆっくり目線を上げて、私は思わず、口を開く。

驚いて。

「もうそろそろ休憩したらどうですか?

1時ですよ?…美緒さんの事だから、昼食もとってないでしょ?」

呆れ顔でそう言った、デスクの上にコーヒーを置いた人物。
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