彼氏契約書
4日も、5日も、蒼空は私の仕事に付き合った。

「仕事してもいいけど、手当なんてつかないわよ?」

手を進めながら、そんな事を蒼空に言う。


「別に、お金の為に仕事してるんじゃありませんよ。

僕は、美緒さんが仕事してる姿を見るのが好きなんです」

そう言って優しい笑みを浮かべる。


「ば、バッカじゃないの!?仕事してる姿なんて、

ちっともきれいでも何でもないじゃない」

真っ赤になった私は、クルリと、椅子を反転させ、窓の方を向く。

そんな事言われたことなんて一度もないから、恥ずかしすぎて・・・

こんな赤くなった顔、みられるなんて、絶対無理・・・


「?!」

「カワイイですね、美緒さん」

いつの間にか私の前に回り込んで、しゃがみ込んだ蒼空が、

そう言ってニコッとした。

・・・ドキドキが治まらない。


「し!仕事しないさいよ、仕事」

そう言って目を泳がせる。


「…キス、してもいいですか?」

「///!!大人をからかうのもいい加減・・・!!」

・・・・数年ぶりにされたキスは、色気も減ったくれもなかった。

だって、驚いて、目を閉じる事すら出来なくて・・・
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