彼氏契約書
そして、仕事始め当日。

「おはようございます、専務」

「おはよ、今日からまたよろしくね」

…いつものように、部下たちの挨拶から一日はスタートした。

一通り挨拶を済ませ、朝礼前に専務室に向かった。


「おはようございます、美緒さん」

「…おはよう、須藤」

専務室を開けた途端、蒼空が優しい微笑みを浮かべ、

私に朝の挨拶をした。


…今日は、なんだか大丈夫そうだ。


そう思う事が出来た。だって、蒼空は私の必要以上に

近寄ってこないし、見てる限り、仕事に集中してる。


「美緒さん、休みの間に書いたデザインの件なんですが、

社長が直接話をしたいから、朝礼が終わったら、

社長室に来るようにと先程内線がありました」


「了解」

私は自分のデスクに腰かけ、一通りの事務をこなし、

それが終えると、蒼空を従えて、下の階に下りた。


専務になってからも、この朝礼には必ず参加するようにしている。

皆の事を把握しておきたいし、仕事の様子も知りたかったから。
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