彼氏契約書
「おはようございます、本年も、みんなで力を合わせて

頑張っていきましょう」

年始の挨拶を社長がした。


社長は、基本的には、年末年始だけ、朝礼に参加している。

忙しい役職なのだから仕方がない。

その代わり、第2秘書が、毎朝朝礼には参加している。

変わった事や、今の現状を必ず伝えているとか。

秘書も大変だ。と思う。



朝礼が終わり、私は蒼空に伝える。

「じゃあ、私は社長室に行ってくるから、

蒼空は、午後からの資料整理宜しくね」


「かしこまりました」

そう言ってにこやかな顔をした蒼空は、私の横を通り過ぎる。



「今日も、可愛いですね」

「///!!」

私だけにしか聞こえない声で、ボソッと呟いた蒼空。

一人赤面して、恥ずかしくて、その場にいられなくて、

私は足早に、その場を去った。

・・・こんな顔、誰にも見せられない。



「…どうした美緒?そんなに赤い顔をして?」

・・・ありえない、見られた。
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