彼氏契約書
・・・結局、私のデザインした服は、

何の会議の出されず、製品化した。

周りからの(特に女子社員)反発は凄かった。


「そんなに言うなら、専務のデザインを越えるものを

オレの前に持って来い」

そう言って微笑んだ社長。

…私のデザインを越えるものを出すのは、

生半可な気持ちでは出せないと、女子社員達は、

結局、反発を辞めた。


「専務に良からぬことをした社員は、

左遷されるか、クビにされるか、選んでもらうことになるから、

そのつもりで」


・・・さっきの言葉の後に、社長が付け加えた。

それ以後、私に対する風当たりは、全くなくなったのは、言うまでもないが、

たった一人だけ、私に反発する者が一人だけいた。


「やっぱり、社長は、美緒さんの事が好きなんですね」

「・・・」

専務室の中、書類を置いた蒼空が、私に言った一言。

私は笑ってごまかすしか他にはなかった。


「美緒さんも、社長の事が好きなんですか?」

「・・・そ、そんなわけないじゃない」

…実際、あの女ったらし、好きではない。

同じ職場の仲間としては、尊敬する人ではあるけれど。
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