彼氏契約書
「何でそんなに顔を引きつらせてるんですか?

僕は単純に嬉しかったんですよ・・・。

あ、僕に任せるんでしたよね?…じゃあ、僕の隠れ家に

お供してもらいます」

そう言ってニコッと微笑んだ蒼空に、

つられて私まで笑顔になっていた。


やっと私から体を離した蒼空は、相変わらず手を繋いだまま、

『隠れ家』に案内してくれた。


・・・そこは、本当に町中から一歩入ったお店で、

雰囲気のいい落ち着いた店構えだった。


「マスター、今いいですか?」

中に入るなり、マスターと呼んだその男性は、

ニコリと笑い頷いた。


「今日は、お客が少ないからな、好きな所に座って」

その言葉に頷いた蒼空は、私をカウンター席へと誘った。


「美緒さん、お酒は好きでしたよね?」

「えぇ、でも、ビールは飲めないの・・・」


「知ってますよ、カクテルでいいですよね」

その言葉に頷いた。
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