彼氏契約書
「昨晩はちゃんと眠れましたか?」

その言葉にも首を振る。

…眠れなかったのか。

やはり、昨日の疲れが残っているようだ。


「今日の仕事はほとんど終わってますし、帰宅されてはどうですか?

今日の残りの仕事も、明日に回して問題のないものばかりですし」


そう言っても首を振る。

…全く、困った人だ。


「…定時には終わらせれるように、しっかりお手伝いしますから、

もう少し、頑張ってくださいね?」


その言葉に、ようやく頷いてくれた。

…これじゃあ、駄々っ子をあやす親の心境だ。

そう思うと自然と笑みがこぼれた。


「・・・何が可笑しいのよ」

ボソッと呟く美緒。


「僕に甘えてくれてるのかなって思うと、ちょっと嬉しくて」

「///!」

僕の言葉に、頬を染めた美緒が、本当に可愛いと思った。
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