彼氏契約書
蒼空は固まったまま、私を見下ろす。

…私は自分の行動に驚いて、次の行動が思い浮かばない。


「…美緒さん、今」

「・・・っさい、じゃあ、また明日ね」

そう捨て台詞を吐き、その場を後にする。


「…美緒さん」

「…嫌なのよ!蒼空がいつもみたいに元気でいてくれなきゃ」

それ以上何も言えなくて、そのまま自分の部屋へ足を進めた。



…一体私が何をしたかって?



それは、振り返ろうとする蒼空を、強引にこちらに向けて、

ネクタイ引っ張って、唇を奪った。



・・・そんな行動は、蒼空のお得意なはずなのに。

まさか、自分からそんな事をするなんて。

どうかしてるとしか思えない。


・・・でも、少しでも、蒼空がいつもみたいに戻ってくれるならって。

ただその一心だったのは確か。
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