彼氏契約書
鼻歌交じりに足を進めていく蒼空。

私はスカートのすそばかり気にしている。

…だって、生足なんだもの…30歳の生足ってアリ?

身長160センチ、体重45キロ。

まぁ、太くはないと思うが、肌の質は、やはり20代とは違う。

…と、思う。


「寒いですか?」

「へ?…ぁ、う~ん、ちょっと・・・なんで?」

「握ってる手が、少し震えてるから」

…あ。そう言われてみれば、少し震えてる。


「ヒャッ!!何すんのよ?!」

真っ赤な顔で悲鳴を上げる。

・・・だって、蒼空が私の肩に腕をしっかり回しているからで。

恥ずかしいやら、人の視線が気になるやら。


「こうしてれば、あったかいでしょ?」

「…ぅん」

・・・恥ずかしいし、人の視線が気になるけど、確かに温かい。

だから、つい、素直に答えてしまった。

そんな私を見た蒼空は、ニコッと微笑んだ。

・・・その笑顔は反則。

「今日の美緒さん、仕事場とは全然違いますね。

スッゲ―女の子で、僕、好きです」

「う!うるさいよ・・・」

「フッ」

あ~もう!蒼空に振り回されてる自分が恨めしい。

8つも年下なのに・・・
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