彼氏契約書
その次の瞬間、一体何が起こったのか。

一瞬の事で、状況を把握するのに数秒かかった。


「・・・す、どう?」

私はビクつきながら、蒼空を見上げた。


…今の状況、

先に入った私を、反転させた蒼空は、壁に私を押し付け、

まさに、『壁ドン』の図が出来あがっている。



「…怒ってる理由は?」

「・・・」


「教えてくれなきゃ、このまま襲いますけど?」

「?!」

いつもと違う俺様な態度の蒼空に、驚きを隠せない。



「…理由は?」

「…腹が立ったのよ」

やっと答えた私に、蒼空の表情は、キョトンとなった。


「・・・何にですか?」

「アンタと美麗社長が、あまりにもお似合いすぎて」

「・・・へ?」

蒼空は一瞬ポカンとした表情になったが、

すぐに、クスクスと笑いだした。
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