GameOver-呆れるほどくだらない恋の嘘-
始まりの終わり
自分の心を閉じ込めるための、自分の心を守るため俺は嘘をつく。
この五年間の中で最後の嘘を。

「コレ、やるよ」

差し出したのは学生服のボタン。
小さいそれは、今の俺にとっては岩よりも重く感じられた。

「はあ?アンタの第2ボタンなんかいらないわよ」

大丈夫、君はこのボタンを必ず受けとるから。
俺の嘘で。
どうか、素直に騙されてくれよ。
俺のために。

「ちげぇよ。優太の第2ボタン」

そう言って君に手渡す、優太のだと言ったボタン、けど本当は俺のボタン。
小さな見栄、小さな復讐、小さな恋心。
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