GameOver-呆れるほどくだらない恋の嘘-
今、この一言で壊すわけにはいかない。
幸い、君には聞こえていないようだ。


手を握りしめる。
笑え、笑え、笑え。
俺なら出来る。
五年間も嘘をつくことが出来たのだから。
無理矢理に笑顔を作り、君に向き直る。
俺は、ちゃんと笑えているのだろうか。
変に辛そうにしてはいないだろうか。

「た…大切にしろよな」

君の後ろにあったガラスに映る俺は、いつも通り笑えていた。
これで、最後だからさ…
安心してため息をついた瞬間、背中に人影を感じた。

「よぉ」

背後から聞き覚えのある声。
憎み、妬み、殺してやりたいと思った。
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