君の祈りが届くとき

リビングにはいると、もう田所が座っていた

隣に腰かけると田所がびっくりしてこっちをみる

「え?なに?」

「いや、来るとは思ってなかったから」
 
「気になんじゃん。あんなこと言われたら」 

「あはは、確かに!で、わかったの?」

「全然、さっぱりだった」

それを聞くと、深呼吸をして

「教えてあげるよ」

というと下を向いて

「ずっと高橋のことすきだったから、ずっとあなたを見てたから。ほのかが好きってすぐに気付いた」

え?俺のことを?田所が?
頭がついていかない

「いつから?…」

「中1から」

びっくりした
正直、告白とかされたのは初めてではないけど田所は、俺のことは恋愛対象外だと思っていた

戸惑ってるのがばれたのかほのかがふとつぶやく

「やっぱり、私は恋愛対象外かな?
高橋は、覚えてないかもだけど…
私はあの頃からずっとあなたが好きでした」

「あの頃?」

「私がまだ中1のころいじめられてたじゃん」

…………………。

「誰にも言えなくて、本当につらかった。
 でも、高橋が女子たちを止めてくれた。
 あなたがいるから、わたしはいまここにいる んだよ?」

「気持ちはうれしい。でも、ごめん。俺は…」

ほのかが好きなんだよ …

「待って!」

「え?」

「わかってる、わかってるけど!」

突然、唇が温かいものでふさがれた

それが、田所の唇だと分かるのにそう時間はかからなかった
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