君の祈りが届くとき
家に帰るともう一馬が帰ってきていてリビングでテレビを見ていた
一馬は、小学四年生の弟だ
父さん似の一馬は俺には似ていない
奥のキッチンでいい匂いがした
ほのかだ
「ただいま」
「おかえりー!兄ちゃん、ほのかちゃんきてく れてるよー?」
時計をみるともうすぐ7時だ
さすがに、もう帰ってきてたか…
奥のキッチンに足をむける
「ただいま」
「あ、おかえり!人には、勉強しろっていうわりには、自分も寄り道してんじゃーん!」
「お前とは、頭の出来がちがうんだよ!」
「ひどー( ̄^ ̄)」
とほっぺたをふくらます素振りも可愛かったりする…
「できたよ!今日は、ビーフシチュー♪」
俺の家には、母親がいない
2年前に俺と一馬をおいて出ていった
仕事ばかりの父さんに愛想つかしたんだろ…
その時から、ほのかがまだ小さかった一馬を心配してよく来てくれるようになった
料理は…今でこそ美味しいが初めは食べれるものではなかったな…
でも、ほのかには本当に感謝している
こうやって、一馬が素直に成長してるのはほのかのおかげだと思う
「今日のは、自信作♪」
人のためになにか出来るのはすごいことだ
「持ってくよ」
ほのかからビーフシチューを受け取ってダイニングに行くと一馬がすでに待っていた
食い意地だけは、はってんだよなぁ一馬は
ほのかも席につく
「「「いただきます」」」