恋するほど   熱くなる
会場はパーティーとなり

私は荒木さんと一緒に各テーブルを歩いて回った。

「いやぁ、特例の特別賞だ。美莉ちゃん、すごいね。皆で応援しているからね。」

「美莉ちゃん、やったじゃないか。荒木くんも腕を上げたね。」

「おめでとう。頑張ったね。」

「これから忙しくなるぞ。しっかりね。」

皆さんに賛美と応援の声を頂いた。

一時間程でパーティーはお開きとなった。

「美莉、家まで送るから地下の駐車場へ一緒に行った方が早い。明日も関根先生のレッスンが入っている。今夜もゆっくり休むんだ。」

「はい。」

荒木さんに送ってもらった。

「毎年特別賞があるわけではないのですか?」

「そうだよ。この六年で初めてのことだ。本賞よりすごいかもな。なんせ青山社長が直々に君を選んだんだ。自信を持って当然だよ。」

「私はこれからどうすればいいんでしょうか?」

「そうだな。まず仕事の依頼がどんどん入ってくると思う。雑誌モデル、CM、TV局のXX番組に出てくれとか。」

「会社を辞めなければいけませんか?」

「必然的にそうなるが、君は辞めたくない理由があるのか?」

「いいえ、特にないです。毎日決められた書類を作成しているだけなので、進歩性のある内容の業務ではないし私が辞めてもすぐに代わりが派遣されると思います。」

「じゃ、辞める方向で手続きを進めてくれないか?」

「いつまでですか?」

「年内だ。」

「わかりました。」

「それから、事務所の近くに引っ越してもらうから、荷造りも頼むよ。」

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