恋するほど   熱くなる
私の敏腕マネージャー荒木隼人は

今朝も事務所で軽く朝食をとりながら頭の中は私のことでいっぱいだった。

「おはようございます。」

私は事務所へ出勤した。

「美莉、こっちへ来て。これを見て。」

「はい、何でしょう?」

今日発売のフォトゴシップ誌だった。

『モデル美莉、妊娠か?沙緒里に続く、お相手はやはり彼女のイケメンマネーシャー?』

私が荒木さんの兄の婦人科医院へ入って行くのを撮られたものだった。

「あれほど言っておいたのに。やってくれたな。」

「すみません。私の不注意でした。」

「とにかく、この記事は誤解だから訂正させる。逆にいい宣伝になるよう利用しようと思う。関根先生のレッスンはどお?かなり厳しいんじゃないのかと思って。」

「いいえ、関根先生の相手役として恥ずかしくないように踊りたいんです。荒木さんがうまくスケジュールを立ててくれるので、時間がある限り一人でも練習できて助かります。」

「そうか、体調も左右するから絶対に睡眠時間だけは削るなよ。睡眠不足は全てに影響するぞ、いつも言っているが。」

「荒木さん、お医者さまみたい。」

彼は私の言葉にムッとしていた。

私は彼のその顔にドキドキした。

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