恋するほど   熱くなる
荒木さんの言った通りになった。

私の連載は大好評で

この連載ページが読みたいがために販売部数が増えたと誌側が言ったくらいだった。

本になるのも時間の問題だった。

香織さんが言った。

「何度読み返しても飽きないの。本を丸ごと暗記できるくらいにね。」

私は荒木さんの言葉通り自由に書いた。

八十編を書き上げて本は五冊目となった。

「美莉、毎週土曜は必ず事務所へ顔を出すように。」

荒木さんの言いつけを守って今朝は事務所へ行った。

「おはようございます。」

「早速だが、他社からも連載のオファーが来ているが全て断っているのは君も知っているだろ?」

「はい、私の負担にならないようにですよね。」

「そうだ。だがここへ来て別の方面からのオファーが入ってきた。テレビ局だ。君の書いたストーリーをドラマにしたいと言ってきた。君の意見は?」

「ドラマですか?」

「ストーリーに忠実に沿うならという条件をつけてもいいよ。どうする?」

「でもデレビで流すにはホットなシーンが濃すぎて苦情がくると思います。」

「それは局の方がよく知っていることだ。全国ネットで流せるものではないことは承知だと思うよ。特に問題なさそうなものを選ぶと思う。君の作品で淡白なものは限られているだろ?何本くらいある?」

「すぐにはわかりません。」

「シネマなら可能だと思うが。」

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