恋するほど   熱くなる
卓巳は私を抱いて言った。

「美莉、君の全てがわかったら、その全てを愛するのに、僕にはまだ君の全てがわかっていない。これから少しずつ知っていきたいんだ。」

彼は心からアーティストだった。

富や名声に流されない本物のアーティストだった。

私はその彼に負けないくらいの想いを詩にしたかった。

「卓巳、私の心はいつもあなたでいっぱいなの。いっぱいすぎてこぼしてしまっているの。私のあなたへの想いはずっとあふれ続けて止まらないの。」

「美莉のその想いの中につかりたい。僕をそこまで連れて行ってくれないか?」

彼は私の中をさまよい続けて私を何度もさらった。

彼に何度も求められて満たされた私を束縛できた悦びに彼も酔い続けた。

彼と私はお互いに永遠に愛し合える相手を見つけたことに震えて

いつまでも離れられなかった。

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