僕と君と時々サッカー

帰りのHRを終えた俺は

途中まで水輝と桔平と帰った。

2人とも反対方面だから駅まで歩き

電車が来た所で分かれた。

電車が到着する。

帰宅ラッシュ真っ只中だったが

運良く座れる事ができた。

俺は携帯をいじりながら時間を過ごした。

電車は進み駅に着いた。

「この駅、学校多いからな〜めっちゃ来そう。」

俺の勘はビンゴ。

大量の高校生が乗ってきた。

その中に見覚えのある顔が。

あの女の子が乗ってきたのだ。

やばめ!

しかも近くにいる。ラッキー!

そう思った時、女の子の近くにいた

高校生が俺のことをみつけて

「森重爽馬じゃん。橘の!」

と、話してる声が聞こえた。

ええまあそうですよ。

聞こえてますけど?

俺は聞こえないフリをし携帯をいじる。

女の子もそれに反応したのか一回俺のことをチラッと見ていた。

最悪。最悪。最悪。

名前、バラしてんじゃねーよ。

心の中で呪ってやった。

時間がたつにつれてどんどん車内の人が減っていた。

女の子の友達もいなくなり1人になっていた。

次の駅が俺らの降りる駅。

もうすぐ着く。

車内アナウンスが鳴り俺は立ち上がった。

女の子も降りる駅だと悟ったのか

ドア付近まで歩こうとしていた。

俺らの距離は本当の数センチだ。

その時、

車内の急な揺れで女の子が俺にもたれかかるようになった。

慌てて支える俺。

内心ガッツポーズの俺。

「ごめんなさい。」

女の子が慌てて呟いた時

何か異変を感じた。

「あ!」

もたれかかった衝撃で女の子の髪の毛が

俺のブレザーのボタンに引っかかってしまったのだ。

「まもなく到着致します」

女の子は焦って外そうとしていたが

余計に絡まる。

このままでは2人と乗り過ごす。

そう思い、俺は話しかけた。

< 15 / 59 >

この作品をシェア

pagetop