僕と君と時々サッカー
「あ。この駅でおります?」
とっさに出てきた言葉がこれだ。
女の子はびっくりしたようなかおで
「あ、はい。降ります。」
っとつぶやいていた。
「じゃー駅おりてこれほどきません?
このままじゃ2人とも乗り過ごしちゃうし」
「ですよね。そうします」
駅に着いた所で俺は女の子と歩きながら改札降りた先のベンチに腰掛けた。
「本当にごめんなさい」
ずっと謝ってくる。
このままじゃ気まずい。
会話、会話、と思いとっさに
「何年生なんですか?」
と聞いてしまった。
女の子は「3年です」
とつぶやいていた。
「俺もなんですよ。同じですね」
って言うとパッと明るい顔をして
「一緒ですね!」と言う。
笑顔がめちゃくちゃ素敵だ。
「あ、俺、
森重爽馬っていいます。
市立橘高校です!」
そうすると女の子は俺の顔を見て
「知ってますよ♪
今日、電車の中で誰かが言ってたの聞いたから、、。
有名な方なのかな?って思って。」
驚いた。
やはり聞かれていたのか。
「いや、まあサッカー部なだけで
全然有名じゃないですよ(笑)
よくあるじゃないですか。
あーなんとか高校のなんとか!みたいな。
あれあれ!」
正直、プロのサッカー選手になることは言えず。
ありきたりなことを言った。
「なるほど〜
私、椎名杏花と言います。
高校は県立城西で」
椎名、名字すら可愛い。
「椎名さんね。
あ、そろそろほどけそう。
長らく待たせちゃってごめんね。」
前に電車であったこが
今はこんなに近くにいるなんて
考えられない。
そして、ブレザーのボタンから髪の毛がスルっとほどけた。
「はい!もう大丈夫かな!」
俺は笑顔で答える。
「あ、ありがとう!ほんとうに!」
彼女も笑顔で答えた。