僕と君と時々サッカー
4時間目が終わる。
いつものようにサッカー部で食べる昼ごはん。
今日はすっぽかして屋上へ行く。
「報告よろしく。」
と水輝の声かけに おー と言いながら教室を出る。
屋上へ向かっている途中携帯を取り出すと真帆からのLINE。
「もう、いるよ」
と来ていた。
俺はそんなのおかまいなしにゆっくりと向かう。
屋上のドアを開けると真帆がいた。
ってゆーか俺と真帆だけ。
「話って何?」
そう真帆に告げると
なにか言いたそうな感じでこっちを見ている。
しばらくの沈黙。
「なにもないなら戻るよ」
そういった俺に真帆は
「もう一度、戻れないかな?真剣なの」
そう大きな声でさけんだ。
俺はびっくりしたように振り返る。
俺でもわかる。
これは真帆にとって真剣な話だ。
「ごめん。俺はもう戻るつもりはないんだ。」
真帆の顔を見て答えた
「気持ちがなくてもいい。
ただもう一度、爽馬と一緒にいたい。」
真帆の告白が真剣なのはわかる。
でも俺はもう答えは決まっている。
「そーゆー中途半端な付き合いはしたくないんだ。
気持ちがないまま付き合うことはできない。
真帆にも失礼なこと。」
そう言うと真帆は泣き出した。
「私は失礼なんて思わない。
爽馬がいてくれればいいの。
これから先、私が一番に支えてあげたい。
選手権も、プロに行ってからもずっと。。爽馬が1番好き。
」
こう言ってきた真帆に内心笑ってしまった。
やっぱりな
こいつは俺のことが好きなんじゃない。
サッカーをやってる俺が好き。
市立橘エースの俺が好き。
プロに行く俺が好きなんだ。
俺の内面じゃない。外面だ。
なにかの糸が切れたような気がした。
「真帆は俺のこと好きじゃないと思うよ」
真帆は驚いた表情をして
「そんなことない。好きだよ。」
そう言った。
しばらく沈黙が続く。
真帆は下を向いて泣いている。
俺は口を開き真帆に伝えたいことを伝えようと決心した。