僕と君と時々サッカー

駅まで歩いてる途中、俺らの会話は途切れなかった。

今日の出来事とか面白かった話しとかたくさん話し合った。

城西から桜道までは5駅の10分。

意外に早く着いてしまった。

外は夕暮れでとても綺麗だった。

桜道駅に着き俺らは大きな公園に着いた。
ベンチを探し2人で腰掛けた。

「今日、城西まで来てくれてありがとうね♪」

という彼女に

「どーいたしまして♪たのしかったよ」

と言う俺。

本当にカップルみたいで幸せだった。

すると彼女が

「爽馬くんに、聞きたいことあるんだよねー」

と尋ねてきた。

俺は一瞬ドキッっとしてどうした?と聞き返す。

「いやー今日さー委員会あって
サッカー部の部室の近くでやってたんだけど」

彼女が話し始める。

なんとなく嫌な予感がした。

「サッカー部の男の子達が
橘の森重爽馬がいるんだけど!
サインもらっとくー!!??みたいな話をしてて」

その瞬間、俺はあーと思った。

あの場面を見られていたのか。

俺は怖くなったが彼女の話を聞き続けた

「なんか女の子達も同じように騒いでたから
え、爽馬くんだよね?って思って
もしかしてなにかで有名な人なの?」

彼女はおそるおそる聞いてくるような感じだった

ここまで言われては嘘を付くことはできない

俺は口を開いた

「いやーそんな有名じゃないんだけどさ」

「俺さ、高校卒業したらプロのサッカーチームに行くこと決まってるの。
Jリーグってわかるかな?
それで結構注目とかされちゃっててさ」

ゆっくりゆっくり話す俺に彼女は

うん、うん、と丁寧に聞いてくれた

あんまり自分の事は話したくはない

「俺の名前webで検索すると結構出てくるかも。
結構早い段階でプロ決まったからそれでちょっと騒がれてる」

俺は全部話した。

すると彼女は

「え、めっちゃすごい人なんだね。
だから校門じゃなくて公園にいたんだ!」

と口に手を当てて驚いたような顔をしていた。

「そーゆーことです。」

俺は言い切った。

「そうなんだ。
私サッカーのこと全然わからないから。。」

そう言っていたがむしろ俺的にはそーゆーこの方がいいんだよね。

だから彼女に

「あまり知りすぎてる子も怖いかな。
知らない方が俺はいいかなー」

と濁すように言った。

彼女はふふっと笑って

「今度サッカー教えてよ」

と言ってきた。

そのかおが凄い可愛くて愛おしかった。

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