私の天然彼氏
「やっぱり君には敵わないよ。

でも俺、もうバイトは辞めようと思ってるんだ」


………そんな…!


「それは…私のせいで辞めちゃうんですか…?」


「違うよ。

あさひちゃんのせいじゃないから。

そろそろ進路も考えないといけないし。

もう辞め時だと思ってたところだったんだよ」


「じゃあ…もう理央先輩にはあえないんですね」


理央先輩はふっと笑って、


「息抜きにケーキ食べに行くよ。

それに、そんな顔されると辞めたくなくなるから!

笑っててよあさひちゃん?

俺あさひちゃんの笑った顔好きなんだからさ」


この人は…本当に優しい人だ。


断る方も辛いけど…断られた方はもっと辛い。


私には痛いほどよく分かるから。


ちゃんと笑おう。
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