秘密の暮らし
悩んでも悩んでも
啓……
んっ……………………
目を覚ますと横には裸の啓が寝ている。
あ//////
そっか…………
昨日………………
ってか、今何時?
時計を見ると午前3時をさしていた。
早く起きすぎた……。
軽く啓にすり寄ってみる。
啓の胸に顔を埋める。
いい匂い。
安心する。
啓は……あたしの彼氏であり、保護者でもある。
大切な人。
…………啓…………。
あたしね?
進路のこと悩んでる。
獣医になりたい、けど……
北海道なんて遠すぎる。
でも、夢はそこまで行かないとかなわないの。
どうしたらいい?
好きなことをやりなさい。
って言われたけど…………
離れることは嫌だ。
ワガママだよね……
「ん……」
あ、啓起きちゃったかな。
「な、菜々……?今何時?」
「あ、ごめん……起こしちゃったね……まだ早いから……」
「菜々…………いっぱい悩め。それで、ちゃんと結論見つけな。」
そう言って私をだき寄せる。
「…………大好き。」
「ん。俺も。」
「離れたくないよ。」
「離したくないよ?」
「じゃあ北海道いかない。ずっと啓のそばにいる。」
「……菜々。俺は菜々を縛りつけたくない。俺の横にいることで菜々の可能性を潰すことになるなら…………」
なるなら……??
「少しの間の離ればなれは……我慢する。」
「………………どうして……………」
「俺は……夢を叶えた菜々がみたいな。」
……啓……………………。
「さ、もう一眠りすんぞ!つか、まだ3時じゃねーか。早く起きすぎたな笑」
「うん………………。」
夢を叶えた私。
……啓は……夢を叶えるまで待っててくれるんだ。
私は何となくホッとして目を閉じた。