秘密の暮らし
ドS王子
ピピピピ………………
うーん………
もう朝?
…………あと5分…………………。
「おいこら、起きろ!」
「んーー……」
「ったく、遅刻すんぞ?」
「あと、5分ーー……………」
「…………………。」
チュッ)
????!??!??
「け、啓??」
「あ、起きた。よかったよかった。早く制服に着替えろよ?朝ごはん出来てるぞ。」
//////…
今キスしたぁ…………
朝からニヤけちゃう………
「ニヤニヤしすぎ。さっさと着替えろっ!」
「はぁーい。」
朝ごはんはいっつも啓が作ってくれる。
まぁ、私が起きるの遅いからなんだけど……笑
「いっただっきまぁーす!」
「はい、どうぞ。」
「んーーーーー♥おいしっ!」
「そりゃ良かった。」
「啓は本当に料理上手だよねぇ…」
「褒めても今日の居残りはなくならないからな?」
「…………………。」
「よしっ、俺先行くから。学校でな!戸締りちゃんとしろよ?」
「わかってるって、行ってらっしゃい!」
「ん。行ってきます。」
チュッ)
軽くほっぺたにキスをして家を出るのが毎日の日課。
私より先に学校に行くのも毎日のこと。
一緒に登校してたら怪しまれるし…
啓は朝礼があるしね。
さてと、私も行きますか。
鍵をしっかり閉めて。
今日も学校頑張ろ!
クラスに着くと真っ先に飛びついて来たのが親友の 笹野彩[ささの あや]。
中学からの大親友と言っても過言ではない。
「菜々ぁーーー!おっはよー!」
「おはー!」
「もぉ、きーてよぉ!翔ってばひどいのよ?今日あたしヘアアレンジしてきたのに…何も言わないのっ!」
翔ってゆーのは
彩の彼氏。柿原翔[かきはら しょう]
翔くんも中学からの同級生で結構仲がいい。
「そーいえば髪の毛こってるね…」
「でしょぉ?なのに!あいつったら…何も言ってくれないのっ!信じらんないっ!」
「照れてんだよ…きっと…………ね………」
「言葉にしてくれなきゃ嫌なのよっ!分かるでしょ?」
「うん、うん。分かるよ!」
そう言うと彩はぎゅっと私に抱きついてきた。
「……菜々……今日…イー匂いする。」
「へ?」
「シャンプー変えた?」
すご………
彩の観察力ってゆーか…………
なんでそんなことまで分かるの?
「図星だぁ!」
「まぁねー♪」
彩は美の事とかトレンドには敏感だからなぁ…
可愛いし、スタイルいいし…
「彩の今日のヘアー似合ってる♥」
「菜々ぁぁあ!大好きっ!もぅらぶ!本当にらぶ!」
「彩は可愛いからね…」
「何言ってんのよ!菜々の方が可愛いよ?それに…頭いいし……化学以外……」
「そ、それは…………言わないで………」
「朝田先生が可哀想だわ。自分のクラスのしかも学年トップの学力の持ち主が……自分の教科だけ伸び悩んでるとか………」
「だって!化学難しいじゃんか!」
「はいはい、ムキにならなーい!そこも菜々のいいところ!……それで?最近は順調?先生とのく・ら・しっ!♥」
そう。
あの同居の件は……彩も知っている。
それは啓も知ってることで………
笹野ならいいよ。
って言ってくれたからなんだけどね。
なんで彩に教えてもいいのか理由を聞いたら…
私の親友ってことと、もう一つ。
彩は化学の順位が1位だから。なんだって。
啓いわく、『化学が出来る人は秘密を守る』らしい…笑
「順調ってゆーか…いつもどおりな感じかな…?」
「いいなぁ同居…………ずっと一緒だもんね…………。」
「お前ら、ドアの前につったってないでさっさと席着け!」
「「や、やばっ!」」
顔をあげるとそこには先生になった啓が立っていた。
「お、おはようございます!朝田先生!」
「ん。おはよ。とりあえずさっさと席着け!ホームルーム始めるから。」
「はーい。」
朝のホームルームが始まる。
あいさつして、連絡告げて……
そんな先生らしい啓も好き。
「…はい、以上。今日も一日頑張るよーに!今日は4時間目に化学あるからな!皆ちゃんと受けろよー」
と言い残して教室を出ていった。
「あ゙ぁぁぁぁあ!菜々ぁ!数学分かんなかったよぉ…」
3時間目の数学後…
いつものごとく彩が泣きつく……笑
「彩毎回数学に悩まされてるね…」
「そぉなのよぉ………あ!次化学じゃん!やった!元気でるっ!」
「…………元気でないよ。」
「菜々はね!毎回授業中怖い顔してるもんねー」
「怖い顔してる?」
「してる!」
そんなぁ…………。
でも…確かに黒板とにらめっこしてるかも…
「彼氏の授業なんだから頑張りなって!」
「………そーいわれても………」
「お前ら!またドアのところに立って…………チャイム鳴るぞ?」
あ…
先生……
「だって仕方ないですよ!菜々の席ドアの横なんですもん!」
「まぁ、そだな。って…!チャイム鳴るから早く席着けってば!」
「もぉー、先生怒んないのっ!
「笹野………。座れっ!」
「「プッ………………」」
「んだよ、2人で笑うなつーの!」
「はい、はい。座りますよーっていっても菜々の後ろだけど。」
「…よし、チャイム鳴ったから授業始めるぞ。」
あー
始まった。私の苦痛の時間。
計算全く意味不明。
化学反応?意味不明。
完全燃焼?する意味は?
ってかんじ。
後ろの彩は楽しそう…………
私の唯一の化学の楽しみ方。
それは
啓の観察。
個性的な字を見つめてみたり…
メガネの奥の瞳を見つめてみたり………
多分……
私の脳に化学が入らないのは…
教えてるのが啓だからである。はず……。
どーしても授業より啓のこと考えちゃうし…
考えるなって言われても無理なものは無理だからね。
「んじゃー、ここの問題誰かに解いてもらおうかな。」
…指さないでよ?
アイコンタクトでお願いする。
目が合ってふっと笑った…。
「じゃあ、橘!解いて!」
「え゙…?」
指さないでって伝えたよね??
「解いて?」
な、なにさ!あの解いて?の笑顔!
本当意地悪…………
「…………………………。えっと…………答えは…………4番?」
「……………………正解!」
…まぐれです。
偶然です。
ごめんなさい。
理解してません。
本日の化学…
撃沈。