秘密の暮らし
ご褒美は大人の香り

ドキドキ………

きたァ…
化学のテスト返ってくる…………


「はい、テスト返すぞー、とりあえず化学のトップは…96点で…名前は言わないでおくか?」

うん。言わなくていいよ。
彩さんだもの。

「ちなみに2人いるから。」

え?
その一言でクラスがざわつく。

「まぁ、返すぞ、青山ーー…石井ーー…」

うぅ………本気で緊張…………。

「橘ーー!」

「は、はいっ!」

「お前どした、ここまでだとは思わなかった…」

え?私そんなに出来てなかった?
今回頑張ったのに…………。

恐る恐る答案を見ると………

え???

うそっ………………

え?待って、これ私の答案?

89点…………。

あたし…頑張ったよね?
すごい!我ながら頑張った!

「きゃーーー菜々ぁ!あんた89点とか!頑張ったねぇ!」

「ちょ、ちょっと!彩ぁ!テスト見ないでよぉ…」

「だって!今回菜々断トツでトップじゃん!」

「いや…そーでもないんじゃ?」

「おい、きけ!みろ!今回俺が化学トップだったんだぞ!」

え??

「ちょっと翔!あんたの点数はまぐれだってばぁ!」

「おい!菜々!俺すごくね?」

「翔くん96点だったんだ!すごい!」

「菜々…あんま褒めちゃダメよ。すぐ調子乗るんだから。」

「はーい、お前ら静かに。今回良かった人も悪かった人も次のテストも頑張るよーに!以上!」

「「「ありがとうございましたー」」」


・・・・・・・・・・・・・・・放課後・・・・・・・・・・・・・・・

「なっなー!」

「ん?なんでそんなに彩はテンション高いのかな?」

「きーて!昨日のお泊りの件♥」

「あ!そーいえば!……どーだったの?」

「…それがさぁ!……………あいつ!いい雰囲気だったのにっ!翔ったら………ヘタレなの!」

「へ?」

「実際その時がきたら恥ずかしくなったらしく…結局一緒に横になっただけー…」

「お、お疲れ様です…………。」

彩めっちゃ怒ってる…笑

ガラッ))



「おー、お前らいつまで残ってんだ?さっさと帰んなさい。」

啓!

「あー!菜々の彼氏さんじゃないですか!今帰りますよー!」

「笹野…。誰もいないからいいけど絶対言うなよ?」

「分かってるし!菜々を困らせるよーなことはしません!」

「はいはい、菜々、先帰っとけ。笹野、こいつのこと頼んだ。」

「はいはーい!任せて!菜々ドジだからねー、先生も過保護になるわ。」

「ど、ドジ?」

「はい、帰るよー。」

「え?っちょっと、彩??」

「奢ってくれるんでしょー?」

「あ゙。」

「忘れてたとは言わせないぞ?じゃねー、先生!バイバイ!」

「おう、気をつけて帰れよ!」

結局私は彩に手を引かれて
クレープを奢ることになり…家に帰った。


ガチャ))

あ、啓帰ってきた。

「ただいまー!」

「おっかえりーー!」

「??テンション高くね?」

「フフフ…だってぇー、テスト出来たからねっ!」

「!そーだった!菜々、お前勉強したの?」

しましたよ、えぇ、頑張ったのよ。

「まぁね。」

「真面目にびっくりしたわ。90点まであと少しだったな。」

「でしょ?………………………………。」

「ん?」

「……………それでね…………………?」

「……………あー………………。それは後でな。」

へ?まさか、今ので通じた?

「あ、あの?啓?」

「ご褒美だろ?」

!!//////

バレてた………。

「何がほしい?」

え………
実際何欲しいんだ私………

ふっと、彩の言葉が頭をかすめる。
『早く抱いてもらいなよー?』
/////////
やばっ、何考えてんのあたし!

「な、なんでもいいの?」

「うん。菜々が欲しいもの言っていいよ。」

ドキッ………

いいのかな………

欲しいものは………

「け、啓…………。」

「ん?」

「啓が………」

「俺…が…なに?」

「っ、啓が………ほしい………」

顔から火がでそう。

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