可愛くない彼女,
3.本当の気持ち
あたしは教室の目の前まで、恭夜の手を握ってたけど
さすがに、これは恥ずかしいから、パッと手を離した。
でも、離したかったんじゃない。
本当はずっと手をつないでいたかった。
本当は教室に入って
「付き合いはじめたの。」
って自慢したかった。
あれ?
自慢したいの?
なんで自慢したいの?
自分で自分の気持ちがよめない・・・。
おどおどしてると・・恭夜はあたしの手をもう一回つかんだ。
「離すなよ」
ボソッとつぶやく声に
真っ赤になった顔のせいで何も答えられない自分がいた。
そのまま教室に入って
「蛍瑠姫、俺の彼女。とった奴、ナンパする奴、まじキレるから~」
軽い風に言ってるけどあたしにはわかった。
チラッとあたしのほうを向いて
ニヤッて笑った彼の顔は・・・
まるで
「安心しろ」っていってるみたいだった。