隣の席の姫野くん。




「…なにこれっ」


私は思わず目を疑った。



一度教室から出て、クラスを確認する。


私のクラスだ…



私たち二年生用のトイレがなぜか使えなくなっていて、仕方なく一年生のトイレまで行っていた約五分間。



たった五分の間に、私たちががんばって作った教室の装飾やメイド服は剥がされ、破かれ。


もともと何だったのかわからないほどになっていた。



「ど…しよ」



足に力が入らなくなって、思わず床に座り込んだ。


今は夏が近づいてきていて、暑いはずなのに


私の体は鳥肌がたち、寒気が止まらなかった。



そんなとき、聞きなれた音が聞こえた。



それはクラスLINEの通知音。


なんだか見てはいけないような気がしたけど、大切な連絡かもしれない。



馴れた操作のはずなのに、指が震えて言うことを聞いてくれなかったせいで見るまでに時間がかかってしまった。













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