隣の席の姫野くん。
「川瀬?」
教室につくと、川瀬の後ろ姿が見えた。
川瀬は俺を見ると、目を丸くして
「どうしたの?」
なんて、のんきなこと言いやがった。
「あのLINEみたら誰だって心配すんだろ!」
やばい。
川瀬は眉間にシワを寄せて、何かを我慢してるみたいだった。
俺は耐えられなくなって、柄にもなくごめん、と呟いた。
おい川瀬。なんでそんな驚いてんだよ
「お前がやったんじゃないんだろ?」
俺がそう言うと、あからさまにほっとした顔をして、でも何でか泣きそうになっていた。
きょうの川瀬は百面相だな
いや、いつもか
いつも、こいつは何かを隠そうとしても顔に出る。
隠し事できないところすっげえ好きだよ