隣の席の姫野くん。
ガラっ
「おー。おかえりなさい秀ちゃん?」
「恵梨子さんと同じ呼び方すんな」
俺の部屋の窓から入ってきたのは秀平。
いや、実を言うと家が隣同士で、部屋も隣り合ってて。
これが男女なら確実に恋するシチュエーションに住んでる俺ら。
ちなみに恵梨子さんってゆーのは、俺の母親。
小さいときから、たぶん俺より秀平を可愛がっていた。
その分俺は秀平の母ちゃんに可愛がられたんだけど。
「てか、俺橋田の連絡先とか知らねぇんだけど。しかも女なのにこんな時間にこれないっしょ
」
それは考えてなかった。
つーか橋田。好きなら秀平の連絡先くらい知っとけよ
「あー、んじゃ明日にでも来るように電話しといて。どーせまだ起きてんだろ。番号教えるし」
「はぁ?ならお前がかけろよ」
秀平はめんどくさそうな顔をして、俺のベットに座った。
「俺川瀬以外の女とわざわざ電話で話したくねぇし。それに…」
秀平をみると、いつも通りの真顔で俺を見ていた。
その真顔崩してやるよ
「俺よりも橋田の声聞きたいやつがここにいるし?」