隣の席の姫野くん。
「明日学校だろ?お前橋田とここに帰ってこいよ」
「は!?」
俺の提案に秀平は珍しく大きい声を出した
何を焦ってるんですか秀平くん。
これは大チャンスでしょ?
俺は驚いている秀平から携帯を奪った。
「あ!橋田~?」
「お、おい!」
秀平が焦ってるのを無視して、橋田に明日秀平と帰ってくるように伝える。
『え…。でもっ、明日も文化祭の準備あるし…。それに山下くんと二人で帰るとか山下くんに迷惑かかる。』
電話越しの橋田の声は、直接話すときよりも少し低くて弱々しかった。
まぁ、いつもが高すぎる声で強気なだけなんだけど。
「どっちも心配すんな。俺だって劇の練習あって早く帰れねぇし、秀平と最後まで残ってこいよ」
秀平をちらっと見ると、にやにやしていた。
珍しくキモいな。
絶対橋田のこと考えてる。