隣の席の姫野くん。
『でも、山下くんに迷惑が…』
こっちも秀平のこと考えてんのかよ。
さっさとくっつけばいいのに。
俺は少し呆れて、秀平に携帯を投げ渡した。
「秀平。橋田がお前に迷惑かけてるんじゃねぇかって心配してる。どうなの?」
そう橋田にも聞こえるくらい大きい声で言った。
「は?」
さっきまでにやけていた秀平は、眉間にシワを寄せていた。
「橋田。今のなに?」
秀平は橋田にそう言いながら、俺を睨んでいた。
はいはい。どっか行けってか。
ごゆっくりどうぞ~
俺はため息をつきながら立ち上がり、下に飲み物を取りに行った。
ため息ついちまったし。
幸せ逃げるじゃん…
川瀬にそのことを言われてから、ため息をつくたびそう思う。
そしてそう思うたびに、川瀬が俺の一部な気がして頬が緩む。
俺も秀平に負けない勢いでキモいな