隣の席の姫野くん。
このみside
姫野に抱き締められて泣いたあの日。
家に帰ると都合がいいのか悪いのか、家には誰もいなかった。
姫野は帰りながら何度も、大丈夫って言ってくれて
泣きながら歩く私の手をひいて
最後は私に戸締まりするように言ったあと、頭を撫でてくれた。
私が家に入るまで帰らないと言ってきかなくて、私はしょうがなく先に家に入って、窓から姫野の後ろ姿を見つめていた。
なんだか、優しすぎて姫野じゃないみたい。
私は胸が締め付けられて、痛くって
思わずしゃがみこんだ。
これって、やっぱり姫野のこと?
最近胸が痛む理由がわかったけど、まだ知らないふりをしていた。
だって、なんだかどうしても認めたくなくて…