隣の席の姫野くん。
「ねえ、文実さん?もうあなたに模擬店に関わって欲しくないの」
笹野さんはそう言って、私に背を向けた。
「だから、これ捨ててきてよ。あんたはもう模擬店づくりに口だししなくていいから。雑用やってて?」
そう言って笑顔で振り向いた笹野さんの手には、大きな段ボール。
無言で私に近付いてきて、無理矢理私に持たせた。
「はい。もう戻ってこなくていいから」
冷たく私を見下ろしてそう言った笹野さんは、私の知ってる笹野さんじゃない気がした。
私は黙って言われた通りに教室から出た。