隣の席の姫野くん。



それから、何事もなかったように教室に戻るとほとんどの人が登校してきていた。



「おはよう!このみ!」



教室の入り口に立っていると、のんちゃんが抱きついてきた。



「川瀬、おはよう」



山下くんも相変わらずの真顔で挨拶してくれた。




「…おは、よう?」



私は、のんちゃんに抱き締められながら挨拶した



クラスは静かになって私たちの様子を伺っていたけど、何事もなかったように騒ぎ出した。



私なんか、見えてない


私なんか、いない



そんな感じ。




「…このみ?」




のんちゃんが心配そうに、私をみていた。




大丈夫、大丈夫




「大丈夫だよ」




私は精一杯笑った。



のんちゃんに心配はかけられない





大丈夫、大丈夫










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