隣の席の姫野くん。



「…え?」



私は思わず顔を上げた。




「あら、ちがった?」



見下すように笑う笹野さん



違うもなにも言ってる意味がわからない


私が自分を可愛がってる?



そんなわけ、ないじゃない。




「ちがうって思ってるでしょ?」



私が反抗しようとすると、それを遮って話す笹野さん



「あなたって人に甘えてばっかり。いつだって一人で解決しようとしないわよね。逃げて、逃げて。助けてもらって。反抗しようとしても弱いのよ。私とあなたじゃ意思が違うの。」




「…どういう、意味?」





「そのまんまよ。あなた今まで一人で何かした?どんだけ昂に助けてもらってんのよ。橋田さんにも甘えてばっかり。逃がしてもらってばっかり。それって、あなたを助けるためにその人たちが傷ついてるのよ?わかる?」




私を助けるために



姫野も、のんちゃんも、山下くんも



私を助けてくれた人は傷ついてるの?




















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