隣の席の姫野くん。
笹野さんに言われてはっとする。
あの状況で、私をどうして置いていったの?
今まで私を置いていくなんてなかったのに。
またのんちゃんを信じてない。
手が、震え始めた。
その私の手を笹野さんが両手で包んだ。
端からみたら弱ってるクラスメートAと優しい優しい笹野さん
『川瀬このみさん。川瀬このみさん。至急ステージ下まで来てください。川瀬このみさん。』
体育館に響く私の名前。
私は、なぜか動けなかった。
そんな私を見かねてか、笹野さんは自分がたつと私の腕をおもいっきり引っ張った。
あまりの勢いによろける。
そして笹野さんに寄りかかってしまって。
「ごめん」と言ってどけようとすると…