隣の席の姫野くん。





笹野さんに言われてはっとする。


あの状況で、私をどうして置いていったの?


今まで私を置いていくなんてなかったのに。



またのんちゃんを信じてない。




手が、震え始めた。



その私の手を笹野さんが両手で包んだ。



端からみたら弱ってるクラスメートAと優しい優しい笹野さん



『川瀬このみさん。川瀬このみさん。至急ステージ下まで来てください。川瀬このみさん。』




体育館に響く私の名前。


私は、なぜか動けなかった。




そんな私を見かねてか、笹野さんは自分がたつと私の腕をおもいっきり引っ張った。



あまりの勢いによろける。



そして笹野さんに寄りかかってしまって。



「ごめん」と言ってどけようとすると…





























< 163 / 300 >

この作品をシェア

pagetop