隣の席の姫野くん。
「うざいから早く私の視界から消えてよ。」
それだけを私に言って座った。
今までの私なら、これくらいのことじゃ傷付いたりしなかった。
たぶん逆に言い返してたと思う。
でも、なんだかもういろいろありすぎて
限界に達していた。
でも泣き顔だけは誰にも見せたくないから、目に涙をためて、絶対溢さないように本部へと走った。
「川瀬さん!やっときてくれた!」
本部は相当人が足りないのか、係りの人たちはみんな忙しそうにしていて、私のことを見なかった。
「撮影係の浜野さんが今日休みでさ!悪いんだけど、演劇撮影してくれない?」
「…あ、はい」