隣の席の姫野くん。
姫野は明らかに私を見て、楽しそうに笑ってる。
もちろん、周りの生徒も私を見ていて…
その中にはステージ上の笹野さんも含まれていて…
笹野さん…すごい顔してるよ…
眉間にシワを寄せながら笑っていた。
何も言うなよ、私の昂だからね?
そんな感じ。
しばらくしてマイクが私にまわってきた。
『あ…あの…』
私のクラスの方を見ると、のんちゃんも山下くんもいなかった。
のんちゃん、まだ戻ってきてないんだ…
この状況は一人でどうにかしなきゃだめなんだね。
『早くしないと、俺人のものになるよ?』
なんだか今までは私のものだったみたいな言い方。
思わずふっと笑みがこぼれた。
『あー。だめだね。こーゆーの私らしくなかった。』
姫野はわけわかんないって顔をしていた。