隣の席の姫野くん。
「だ、だめ!」
さらさらの姫野の髪まであと1センチのところで私は手を止めた。
こんなことしたらダメだ。
自分で自分が許せない。
こんな変態みたいなこと…
それに、
「姫野は私が嫌いなんだもん」
こんなことしちゃ、ダメだよ
あぁ、また悲しくなってきちゃった。
姫野は私のこと嫌ってるから
口ではそう何回も言ってきた。
でも実際拒絶されて、自分でそれを実感すると意外とキツい。
その相手が私が好きじゃない相手だったとしても。