隣の席の姫野くん。
『へー?これがゴミね。開けてみ…』
「ゴミなんかじゃない!」
俺が段ボールを開けようと言いかけると、いつ聞いても愛しい声が聞こえてきた。
…てか、あいつどんだけでけぇ声で叫んだんだよ!
ステージから入り口付近の川瀬まではだいぶ遠かった。
「笹野さん!今の発言撤回して!」
川瀬は近くにいた1年にカメラを任せ、ステージへと走ってきた。
あいつがこんなに怒るなんて…中に何入ってんだ?
実はこの段ボールが見つかったのは、ついさっきのこと。
秀平と橋田はさっきまでこれを探し回ってた。
だから、俺は中身を知らされていない。
「笹野さん!私のことは何いってもいい。私に何しようが構わない!でも、これだけはごみなんて言っちゃダメでしょ!」
ステージにたどり着き、すごい剣幕で笹野に近づく川瀬。
ど、どうしたんだよ…