隣の席の姫野くん。



中身を知っている秀平と橋田は、真剣に川瀬と笹野を見ていた。



俺がどうしたらいいのかキョロキョロしていると



『これのどこがゴミじゃないって言うの!?』




逆ギレした笹野が段ボールを逆さにした。



『これ…』


段ボールから出てきた物に、会場は一瞬シーンとなって、


そのあとすぐにザワザワし始めた。




…俺らのクラス以外は。






『これ…』


自分でも目を見開いているのがわかった。



秀平と橋田はさっきと変わらず真剣な顔だった。




『どうしてこれをゴミだって言えるの!?捨てようとできるの!?あんなに…あんなにみんながんばって作ったのに!!!!』




涙をたくさん溜めて、川瀬はそれを拾いはじめた。







……みんなで作った模擬店の残骸を。











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