隣の席の姫野くん。



そして、私の髪をとかしながらマイクのスイッチを切り、耳元で



「その顔も、その声も他のやつらには見せんなよ。お前のせいで余裕ねえよ、バーカ」


そうささやいた。


バカって言うことないじゃない。


「…え?」



気づくと会場は盛大な拍手で、いっぱいになっていて




『その後二人は幸せに暮らしましたとさ』



最後を締める山下くんの声もかきけされてしまっていた。
























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