隣の席の姫野くん。



教室の前につくと、足を止めた。



あんなこと言っちゃったし、現状悪化してたら…


そう思うと手が震えた。



今さらなんですけどね、



震える私の手を、姫野が握ってくれたからドアに手をかけた。




「ごめん!」



ドアを開けよう、とおもったら聞こえてきた声。



一人の声じゃなくて、何人か…ってゆーか全員?



「私たち、ひとみを責める資格なんてなかった。ごめんね!」


「…みんな…」


泣きそうな笹野さんの声。



よかったー。




「大丈夫!私たちちゃんと笹野ひとみに謝ってるからね?これからもまた友達でいてくれるかな…?」



一人の女の子がそう言った。



「も、もちろん…!」


「うわあ!泣くなよ笹野ー!」


…よかったね、笹野さん。














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