隣の席の姫野くん。



「昂、おはよ」


4月8日の朝、校門付近で親友山下秀平と遭遇した。



「…はよ」


あーあ。

これがあいつだったらな、朝からテンション上がったのに。


「川瀬のこと考えて眠れなかったの?」


目を見開いたのが自分でも分かった


秀平を見ると、薄い唇をにやけさせて気味が悪い顔をしていた。



イケメンが台無しじゃねえか。




「川瀬とクラス離れたらどうしようって考えたら眠れなかったんだろ?」



「…うっせ」



俺は嘘がつけない。

いや、ついたところですぐにバレてしまう。



それを分かってて秀平は聞いてきたんだ。



性格悪い奴だ











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