隣の席の姫野くん。
そして、橋田の言葉に傷付いたのはもう一人。
「んじゃいってくるね~!」
放課後になり、手を振るこのみと睨む橋田を見送って
「さてと、秀ちゃんは俺んちに強制連行ね~」
「…あぁ」
今の秀平は真顔だけど、元気がない。
たぶん俺にしかわかんねえだろうけど。
「コーヒーでいいかー?」
「あぁ」
俺の家についても秀平の顔は変わらないまま。
原因はわかってんだけど…
「なあ。お前は橋田に気遣いながら付き合ってて楽しいわけ?」
「……」
秀平は目を泳がせて肩を落とした。
「やっぱ、昂にはばれてたか」
「あったりめーだろ。何年の付き合いだと思ってんだよ」