隣の席の姫野くん。
「家族旅行よ~!」
ふふふふふ、なんて笑っている母さん。
家族旅行なら俺らも連れてけっつーの。
「家族旅行とあとは…昂と秀ちゃんへのプレゼント」
プレゼント?
「あなたたちにはたくさん迷惑かけてきたからね…。プレゼントとして、彼女家に泊めていいからね!」
語尾にハートがつきそうな話し方。
プレゼントって言ってるけど、こーゆー話し方の時は違うんだよな。
「チケット俺らの分取れなかったのね。代わりのプレゼントありがたく受けとるよ。んじゃ、気を付けてな~」
「さすが昂ね!すべてお見通しねっ!んじゃいってきまーす!!!」
電話が切れた携帯を見つめる。
何だかんだ言ったけど、プレゼントすっげぇ嬉しい。
このみと同じ家に帰ってこれるなんて…考えただけでにやにやする。
それは、こいつもきっと同じ。