隣の席の姫野くん。



「昂、怖いなら俺が見てやろうか?」


クラス発表の掲示板の前で、秀平は何度もそう言ってきた。


「いい加減黙れ」


それを最後に俺たちの会話は止まった。




あぁ。


自分でも不思議でしょうがない


自分の名前より先にアイツの名前を探してる。




アイツ、それは川瀬このみ。


1年の時ずーっと隣の席で、俺に喧嘩売ってくるバカ女。


女にしては背もでかいし、顔だって別に特別美人だとか超絶かわいいとかではない。


口だってわりぃし、実はホラー系の映画とかが大好きだったりする男らしい一面もある。



でも、俺にとって川瀬は


隣にいる心地よさと笑った顔に関しては一番だ。










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