隣の席の姫野くん。
「えっ!?泊まり!?」
次の日、このみにこのことを話すと目を丸くしていた。
相変わらず可愛いな、なんて思いながら頷く。
「で、夜までは秀平と橋田と遊ぼうと思って」
「ダブルデート!!!!!!」
目をキラキラさせて、顔を近づけてきたこのみ。
これは…キスしていいってことだよな!?
ステージでして以来このみはキスを許してくれない。
このみ曰く、あそこでこのみは一生分のキスをしたんだとか。
よくわかんねえけど、とにかくこのみには刺激が強すぎたらしい。
久しぶりのキスにどきどきしながら顔を近づけると
「の、のんちゃーーーん!!!」
危険を察したこのみは、橋田のもとに走っていった。
「また変態姫野に襲われかけたの?」
俺がこのみに手を出そうとする度にこのみは橋田のもとに逃げて、その度に橋田に変態呼ばわりされる。
「黙れ橋田」
俺はそっぽを向いて橋田に低い声でそう言った。
「人の彼女に命令とはいい度胸だな昂。」
そして、俺より低い声が背後から聞こえてきた。