隣の席の姫野くん。





「そ、そうだったの!?」



私が驚いた顔でのんちゃんを見ると、少し顔を赤らめて微笑んでいた。




でも、のんちゃんはそうゆうの嫌いなんだと思ってた。



いつも私にそうゆう態度をとる昂に冷たくしてたし…




「私ね、特別にカップルらしいことするの大嫌いだと思ってたの」




…思ってた?




「だって、山下くんの前に付き合った人もいないし初恋なんだもん。全部のことが初めて過ぎて分からないことだらけで、新しい発見ばっかり」




そこまで言うとのんちゃんは、ふっと笑った。



あぁ、今山下くんのこと考えてたな。



のんちゃんにそんなに思われてる山下くんに少し嫉妬しながら耳を傾ける。



「でもね、新しい自分に気づいても急にキャラ変えられないの。山下くんにドキドキしてることに気付かれたくないって気持ちが大きくなって…」




「結果的に昂に冷たくしちゃうんだ?」



のんちゃんは小さく頷いて、立ち止まった。




「そんな私をみて、山下くんも勘違いしちゃってるよね。私がカップルらしいことするの嫌いだって」



いつもの強気な望様はどこへやら。




眉毛を下げながら、時折声を震わせているのんちゃんは弱々しい普通の恋する女の子だった。





















< 226 / 300 >

この作品をシェア

pagetop